NECカシオモバイルコミュニケーションズ様

鈴木様 岡本様 顔写真マーケティング本部 マーケティング部 
マネージャー 岡本克彦様
 主任      鈴木大輔様
 

次世代スマートフォーンのためのユーザリサーチ

 

高い技術力と商品開発力で、携帯電話の進化に対応し、魅力ある商品やサービスを提供しているNECカシオモバイルコミュニケーションズ様。 お客様に「最高のユーザー体験」を提供できる商品やサービスの実現のため、次世代のスマートフォン開発におけるユーザリサーチワークショップを実施して頂きました。

参加者約20名代表して、鈴木様・岡本様に話を伺いました。

Q.今回、研修を導入された背景を教えて下さい

岡本様:携帯電話からスマートフォンへのシフトが加速し、2013年末にはスマートフォンを保有率が50%を超えます。多くの方々が使われるからこそ、スマートフォンに求められる価値が多様化する一方、画一的な商品が増加し、ユーザのニーズに十分に応えられていないのも事実です。その状況を打開すべく、従来とは違う思考やプロセスによる価値創出が必要だと感じていました。
 
鈴木様:そうですね。現在の量販店などの商品棚が画面だけの四角い端末ばかりになっているのを見まして、スマートフォン以前の折り畳みケータイばかりが並んでいた頃を思い出しました。ではスマートフォン全盛の今、以前のケータイにとってのスマートフォンのような存在価値を自分たちが提案できるか自問した時、従来のやり方では難しいと、課題感を抱いていました。
 
  Q.今回、研修実施の目的は何ですか?
 
鈴木様:従来の提案は、メインユーザの要求や不満解消からのアプローチで、既存商品からの改善提案になってしまったので、どうしても他社含めて画一的になっていました。新しい価値を提案するには、特殊な状況のユーザの使い方にヒントがあるということ、頭やパソコンの画面の中だけではそのヒントを提案まで育てるのは難しいということ、そしてその提案は決して特殊な状況下のユーザ向けで閉じないということを、頭の中の理解だけではなく、その日から実践できるように体得してもらいたいと思っておりました。
 
岡本様:従来のアプローチだけでは新しい価値創出はできません。今回の研修では、全盲の方々にリードユーザとしてご協力いただき、「画面を見ずに操作できるスマートフォン」をテーマにしました。リードユーザがスマートフォンのナビ機能を使って目的地に行く姿を観察し、そこから得られた気づきをアイデア化&プロトタイピングしたのですが、この一連のプロセスを体験することを通じて、“僅か4時間”の研修で従来とは異なる価値創出ができる点を体感してもらうことを期待していました。また、リードユーザ、及び、社内の部門を超えたメンバーとの共創(Co-Creation)によるアプローチの有用性を体感してもらうことも合わせて期待していました。
 
 
Q.今後の事業展開においてプラスになると思うことは?
 
鈴木様:「画面を見ずに操作できるスマートフォン」という現在の事業に近いテーマによる提案経験は、今後の事業展開において重要な新しい価値の提案に生きてくると期待しています。
 
岡本様:「目が見えない」は全盲の方々だけの課題ではありません。年を重ねれば誰もが同様の課題を抱えるようになります。高齢化をはじめとした「課題先進国」の日本だからこそ、インクルーシブデザインを通じて課題解決をし、「課題“解決”先進国」としてグローバルな価値提供ができるポテンシャルを秘めていると感じています。参加メンバーがそのポテンシャルに気づき、課題解決に向けて一歩ずつ踏み出すことが、今後の事業展開にもプラスになると信じています。
 
 

ワークショップの様子

観察・質問

リードユーザと共に会場を飛び出し、フィールドワークへ!

視覚障がい者がリードユーザとなり、スマートフォンやタブレットの地図アプリを使って目的地へ出発。道の途中には、横断歩道や踏切、路上駐車、人の往来などさまざまな危険が潜んでいます。そのような環境の中、音声ガイドや拡大地図を頼りに進み、そこで感じる不便や困りごと、私たちが無意識の中で見過ごしていたコトなどを参加者に観察・質問して頂き、付箋へと記録していきます。
 

それぞれのリードユーザごとに目的地へ向けスマートフォンを活用しながら向かう

 

 問題定義

リードユーザの不便からどんな問題を解決できるのか考える

フィールドワークで出てきた不便や問題点、課題をチームごとに共有し、そこからリードユーザがただ不便だと感じていることではなく、なぜ不便に感じているのかというバックグラウンドを捉えながら、解決したい問題を抽出していきます。目的地に到着しているのに、アプリ上では「先に進め」という指示がでたり、片手に携帯、片手に白杖で両手がふさがってしまう不便さ、目的地に行くというコトだけ囚われてしまい、周辺の状況や店舗情報が全くわからず、外出するという楽しみが欠けてしまっているなど多くの問題点や課題が共有されました。

 

アイディア

問題を解決するためのアイディアだし、体を動かしながら様々なアプローチを考える

抽出した問題点を解決するためのアイディア出し。解決策を1つに絞らず、たくさんのアイディアをだし、創造を膨らませていきます。ただ不便を解消するだけのアイディアではなく、そこにどんな提供価値をつけることができるのか。さまざま視点が盛り込まれたアイディアが各グループから豊富に出てきた。「アレ見たいなのは?」「こんなのあったら自分も欲しい!」など、どのグループもリードユーザも交えながら熱いディスカッションが続きました。開発・企画のメンバーの方々からは既に自社で開発した技術などを盛り込んだアイディアも生まれていきました。

 

プロトタイプ

アイディアを形にするため模造しに提案内容をまとめているアイディアを形に。アイディア出しした複数の案から、絞り込みやかけ合わせを行いプロトタイプを作成。プロトタイプを作成しながらも新しいアイディアが次から次へと足されていき、同じテーマで実施したのにも関わらず、各グループで全く異なる3つのプロトタイプができあがりました。

 

 

発表

グループごとにアイディアを寸劇発表。実際にアイディアを劇で表現することにより、リアルに相手に伝えることができ、より共感することができます。「リードユーザのどんな問題・課題を解決したのか」「提供したい価値は」「リードユーザ以外にはどんなユーザを意識したのか」などグループごとの解決案のポイントの解説と共に、各グループ熱のこもった寸劇を発表していただきました。どのグループの解決案も非常に共感できる内容ばかりでした。
 

各グループのアイディアを寸劇で発表

 

参加者アンケート結果

大変満足91%、満足19%

その理由は?
・共感から発想する大切さを知りました。
 (27歳 UI,UX設計 女性)
・講義だけでなく、実体験を含めて、頭をリセットして取り組むことができ、身体で覚えることのできる有意義なセッションであった。(33歳 企画 女性)
・リードユーザの方とのフィールドワークや最後のプレゼンなど、これまで体験したことのないワークショップだったため大変勉強になり、また大変楽しかったです。(36歳 マーケティング 女性)
・リードユーザにヒアリングさせていただき、新しい発見が多く驚きました。実感として体験しましたので、貴重なお時間を頂きました。また、時間を区切りアイディアを出し、整理などで集中力が高まりました。(40歳 商品企画 女性)
・今後のアイディアを出す手助けになると思った。(27歳 TSE 男性)
・初めての体験だったので、視野が広がりました。(23歳 企画職 男性)
・問題点を抽出する新しいアプローチを実際に体験できた(42歳 マーケティング 男性)
・当事者視点に立って問題点を見つけるという大切さを学びました。(30歳 企画 男性)
・リードユーザの観察による気づき、デザイン思考による価値創出プロセス、他部門連携による多様な発想と人脈形成。(40歳 マーケティング、商品企画 男性)
 
 
ワークショップを通じてビジネスに活かせるヒントはありましたかその理由は?
・大変印象的な言葉として、「健常者と同じものが見えることがうれしい」というものがあり、障害者向けに見やすくされた特別なものを提供するのではなく、何か工夫することによって同じものが見られるという価値を学ばせていただきました。
(36歳 マーケティング 女性)
・リードユーザ目線での新技術を想像することで特許に提案に活かせると思う(35歳 ハードウェアエンジニア 男性)
・リードユーザに対してヒントを得ることが、やがて大ヒットにつながるということ。=盛り上がりの中心だけを見ていてもヒット作は生まれない。(31歳 マーケティング男性)
・リードユーザに対する解決策としては最初から捉えないようにする手法なので「切り口」が明確化される、その切り口を元に違う視点に置き換えるので、今までとは違う発想、イノベーションが生まれやすい。(32歳 商品企画 男性)
・普段見落としていることに気付いている。(42歳 マーケティング 男性)
・リードユーザというネーミングが表現しているように未来の課題を先行して可視化してくれる存在であるということ。(40歳 マーケティング 商品企画 男性)
・リードユーザの方が感じる不安は、他の方も感じているけれどはっきりと知ることができないことが多い。リードユーザの課題を解決させると他のユーザの別の問題も解消できる。(27歳 TSE 男性)
 

感想


・非常に有益な体験だったので、部内で展開したいと思います。
・機能の一部ではなく、行動全体を見て商品をデザインしなければならないと思いました。
・普段は、聞けない話をきいて本当に良かった。今後の業務にもいい影響ができるような気がしました。
・今回のような半日かけての体験会は従来ではあまり実施できなかったが、その分、理解が深まり議論も十分できて、実りの多い研修となったと感じました。
・“問題発見能力を鍛えることが課題”に共感しました。今後、意識していきたいと思う。
・講義の中で頂戴したコメント一言一言に共感し、こころに染みました。今後の業務に活かせるよう精進して参ります。
・あらゆる場面で使える手段だけでなく共感することの大切さもよくわかりました。
 
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NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社様
小型・薄型化技術、防水・耐衝撃技術、デザイン力、通信技術、クラウド技術などの強みを活かし、高い技術力と商品開発力を組み合わせ、携帯電話の進化に対応していくと共に、魅力あるスマートフォンや携帯電話、サービスを提供しています。
そのために、「モノを磨き、コトを創る」という考え方に基づき、薄型技術やタフネス技術をベースにした性能・機能面での強化とデザインを両立することで「モノを磨き」、もっと心地よく快適に携帯電話をご利用頂くための機能やサービスなど「コトを創る」ことで、より商品の魅力を高めています。