盲人協会の宝くじ

「盲人協会の成り立ち」で、協会が国から正式認可を受けた時、宝くじの販売を、正式に視覚障害者専属の仕事として認可されたということをお話ししました。わかりやすく言えば、現在のみずほ銀行の宝くじ部門の業務を、盲人協会専属のビジネスとして行ってきたということです。
1984年にスペイン盲人協会は宝くじの番号を全国統一しました。このことは、盲人協会の収益増加に、とても重要な役割を果たすこととなります。それまでは各州ごとに違う桁数の番号の宝くじを売っていました。それを全国4桁の番号で統一し、これによって盲人協会はかなりの収益を上げられるようになりました。
盲人協会の宝くじは、毎日何名かの当選者がでます。当選番号は朝刊で告知されます。宝くじの販売は、1970年代までは盲人協会専属でしたが、1980年代に入りスペインに民主化の波が押し寄せてくると、盲人協会専属ではなくなりました。しかし、国民の中には「盲人協会の宝くじ」として、すっかり定着していましたし、盲人協会の幹部もほかの会社に負けないような経営努力をしました。その結果、今でも宝くじの収入は、盲人協会が一番です。その企業レベルは、スペイン国内でもかなり収益のよい優良企業の一つです。
スペインに行くと、どなたでも通りで宝くじを売っている視覚障害者の姿を見ることになるでしょう。日本ではすっかり姿が少なくなりましたが、小型の電話ボックスのようなキャビンが、街のあちこちに立っています。そこには「ONCE(国立スペイン盲人協会)」と書かれていて、その中で視覚障害者が宝くじを販売しています。一枚1ユーロです。
盲人協会の宝くじ収入は免税の対象です。そのことによって、盲人協会はそのお金をすべて視覚障害者のサービスに使うことができるようになりました。また、1988年に視覚障害以外の障害者、知的障害、肢体障害、聴覚障害などあらゆる障害のための基金を設立しました。盲人協会の収入の3パーセントの資金をこの基金に、47%を給料や建物維持等の経費に、そして残りの50%を視覚障害者のサービスに当てています。
盲人協会は全国で常時22,000人の宝くじ販売員を雇用しています。今はそのうちの半分は視覚障害以外の障害者です。現在宝くじを売る人の一ヶ月の収入は焼く1500ユーロ。クラウディオさんが若いころは90%以上の宝くじ販売員が視覚障害者でした。年々そのパーセンテージは減っています。とはいえ、盲人協会では宝くじ売りの仕事をしたいと希望すれば、明日にでも雇うことを実行しています。そういう機会はまだ保障されています。
(終わり)